なるふぉです。博士研究者から企業研究者となり、改めて博士課程での制度・スタイルのメリットを感じています。今回は私が感じている大学院・博士課程のメリットを紹介します。
業界や研究室により事情が異なりますので、あくまで一例となります。
論文が調べ放題
自分の分野に関わる論文からそうでないおもしろ論文まで、論文が無料で読めることが多いです。大学がジャーナル出版社と契約しているため、大概の論文は気の向くままに読むことができます。
企業では、関連する学会誌であれば読めることが多いですが、大学ほどジャーナルの種類がなかったりします。今ではarXivなどプレプリントサーバーで読めることもありますが、まだまだ有料の論文も多いのが現状です。
研究に贅沢に時間が使える・時間に縛られない
大学生・大学院生はほとんどの時間が研究に使えます。後輩の指導や研究室の雑務などもありますが、研究に時間が取れないほど忙しい、となることはないです。時間も気にする必要がないため、好きなときに好きなだけ研究ができます。
企業では、研究部署に配属されても、本当に学術的な研究に使える時間は比較的少ないです。会社の雑務や会議・報告書作成などに多くの時間が取られてしまいます。昨今は労働基準法などで残業も抑制気味ですので、時間を気にせず研究などということもできません。私のいる会社だと上級職になるほど研究に使える時間が減っていく印象があります。
研究成果を公表できる
学生のとき、アカデミックな世界では研究成果は論文・学会発表として世の中に出すことが重要です。ほぼすべての成果がこのようなオープンなアウトプットとなります。
一方で、企業は営利目的の組織ですので、何でもかんでもオープンにするわけには行きません。参入障壁を築くため、隠すところは隠すのが重要です。学会発表でも細かいところは企業秘密となったり、そもそも論文化はせず、ノウハウとして社内情報になり、外に出ないこともあります。
学生の時にはあまり気にしていませんでしたが、結構大きな違いです。
まとめ
企業での研究と大学での研究、どちらも研究活動ではあるのですが、目的とするところが違う。営利と知の探求なので、スタイルが違うのは当たり前ではあります。
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