なるふぉです。
先日,書籍「ブルシット・ジョブ」を読んだ.
論文youtuber笹谷さんの動画を拝見し,面白そうなので読んでみた.
内容としては
・ブルシットジョブの定義
・ブルシットジョブの種類
・その仕事に従事している人への影響
などが述べられている.
「ブルシット・ジョブ」というのは,
被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態.
とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている
と定義されている.
ぱっと聞いたところ抽象的でわからなかったが,本書で述べられている具体例をみていくうちに,ブルシット・ジョブの輪郭が見えてくる.
本書では,ブルシットの主要な類型を以下の5つに分類している.
1. 取り巻き(flunkies):だれかを偉そうにみせたり、偉そうな気分を味わわせたりするためだけに存在している仕事
2. 脅し屋(goons):雇用主のために他人を脅したり欺いたりする要素をもち、そのことに意味が感じられない仕事
3. 尻ぬぐい(duct tapers):組織のなかの存在してはならない欠陥を取り繕うためだけに存在している仕事
4. 書類穴埋め人(box tickers):組織が実際にはやっていないことを、やっていると主張するために存在している仕事
5. タスクマスター(taskmasters):他人に仕事を割り当てるためだけに存在し、ブルシット・ジョブをつくりだす仕事引用:https://www.amazon.co.jp/dp/4000614134/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_3P9A3PDMCX5QXQ3PAAK6
例えば,「取り巻き」の例としてドアマンやエレベーターガールなどが挙げられている.代わりにドアを開けたり,ボタンを押したりすることで,お客をいい気分にさせるために存在している仕事で,本人が「自分の仕事が無価値だ」と考えているのであればブルシットジョブの定義に当てはまる.
ブルシットジョブの定義上,被雇用者が無意味だと感じることが必須であり,主観的な判断が必要になる定義になっている.そのため,客観的に(だれがみても)ブルシットジョブであると判断できるものは,存在しない.価値があるかどうかの判断は本人の思想信条で異なる部分もあるため,全ての人が満場一致で「これは価値のない仕事だ」と断定できる仕事はほとんどなく,たいていはグレーゾーンである.
しかし,被雇用者本人が「無価値だ」と感じながらも,無理矢理正当化しながら働くことは精神的に不健康になってしまう.そのことが問題であると著者は主張している.
私も,(アルバイトではあるが)ブルシットジョブにより精神的に不健康になっていたと思われる時期がある.
・システムが未発達であったため,数字を手動で右から左にコピーする(尻拭い)
・人員を増やすために,あまり親しい人にはおすすめできない仕事を紹介し,募集しなければならない状況にあった(脅し屋)
などなど,そのくせ金銭的には割が良い.
もちろん,その他価値のあると思える箇所もあったのだけれど,勤続年数が増えるにつれて,「これ,社会にとっても自分にとっても意味が薄いのでは?」とふと思い,辞めることにしました.
今思うと,あの仕事は「ブルシットジョブ」だったのでしょう.
本書は8000ページ超えで,全てを読むのは難しい.
自分がこのような文系の小論を読むのに慣れていないところもあって,読み進めるのが大変でした.
気になる箇所を飛ばして読んだだけですが,今後,「今の仕事,ブルシットジョブなんじゃね?」と思ったら,読み返してみたい一冊でした.
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