幸福の「資本」論からみる、大学院生のメンタルヘルス

ライフハック

なるふぉです。大学院生のメンタルはかなり不安定になりやすいと言われています。幸福感を感じにくいことも関係しているのかもしれないと感じます。

橘玲氏の『幸福の「資本」論』では、幸福には3つの条件・3つのインフラが必要だと提示しています。

ここではまず、幸福の条件として次の3つを挙げます。

①自由
②自己実現
③共同体=絆

この3つの幸福の条件は、3つのインフラに対応しています。

①金融資産
②人的資本
③社会資本

橘玲氏「幸福の『資本』論」より引用。

自由になるためには、お金(金融資産)がある程度必要です。自己実現のためにはその人の能力やマインド(人的資本)が重要です。共同体感覚を持つためには社会・コミュニティへの貢献(社会資本)が必要です。

このように考えれば、3つのインフラ(柱)が幸福に必要であることはイメージつくかと思います。

今回は「特に大学院生にとって、幸福の柱はどのように考えられるか」を考えてみました。すると、メンタル的に不安定な大学院生の特徴と幸福の柱は対応関係がありそうです

大学院生の幸福の3つの柱

金融資本

金融資本は、要するにお金・金融資産です。どれくらいお金に余裕があるかが、幸福の柱の一つになります。

大学院生にとっても、お金の余裕が金融資本になります。ただ、ほとんどの大学院生が大学卒業後すぐになるため、お金の余裕が無いのが現状ではないでしょうか。

人的資本

人的資本は、じぶんの持つ価値、稼ぐ能力です。自分は価値のある人間だと認識できることが幸福の柱の一つです。

大学院生にとっても、同じ意味ですが、特に「研究成果が出せているか」が大きな要因になりがちです。逆に、研究が思うように進まないと、自分の価値を感じにくくなり、不幸に感じやすくなります。

社会資本

社会資本は、社会のつながりや関係性です。家族や友達との関係性が良好であれば、幸福に感じる柱となります。

大学院生にとっては、とくに、『研究室・指導教員との人間関係」が大きな要因だと考えられます。指導教員との関係が良好な人ほど楽しく研究している人が多い印象でした。

大学院生が幸福になるには

金融資本の柱を立てる

まずは、生活費を見直してみる。いわゆる節約です。家賃を下げる、格安スマホにするなど、固定費を下げることで可処分所得を上げ、金銭的余裕をもたせましょう。また、大学院生ならば学費が大きなウェイトを占めています。全額免除・半額免除の手続きを調べて、自分が該当しないかどうか検討してみてはいかがですか。

次に、バイトをする。金銭的余裕を得るにはある程度のアルバイトをしましょう。なるべく研究の支障にならないように、実質的な拘束時間が短いアルバイトがいいと思います。

DC1,DC2に通る。2023年現在は、DC1,DC2に通れば月20万円の研究奨励金が得られます。都心は厳しいですが、郊外ならば生活できる程度の収入になります。私もこういった研究奨励金に助けられました。メンタル安定のためにもぜひ取れるように頑張りましょう。

奨学金を借りる。 将来的に返済しなければならない借金ですが、無利子もしくは低金利で借りれます。研究に専念するため奨学金を借りるのはありだと考えています。

社会人大学院生になる。 今では博士課程のニーズも高まっているため、分野によっては社会人大学院制度がある企業があります。もしくは、会社員と大学院生の2重生活をしている人も周りにいます。ハードワークにはなりますが、金銭的余裕によりメンタル安定につながる可能性があります。

人的資本の柱を立てる

研究成果を出す。 大学院生として自分に自身をもつには成果を出すことが一番です。大学院生は研究者ですので、「研究成果を出す=研究者として価値がある」というマインドになりがちです。

他の活躍できるフィールドを見つける。 よくポスドクの方から「研究室以外に居場所を作った方が良いよ」と言われていました。他の居場所で活躍・自分の価値を見出すことで人的資本のバランスを保つという方法です。特に時間のコントロールが付きやすい大学院生であれば、色んな場所に顔を出して活躍できる場所を探してみるのはいかがでしょうか。

考え方を変えてみる。 幸福感は主観が大切ですので、人的資本=「自分に価値があると信じる力」と言い換えてみます。要は考え方次第かなと思われます。研究がなかなか進まずとも、金銭を稼ぐ能力が比較的少なくとも、自分の信念を持って生きれていると感じることができれば人的資本の柱となりうると思います。

社会資本の柱を立てる

研究室で居心地の良い場所を見つける。 他の活躍できるフィールドを見つける、というのと同じ理由です。研究室で社会資本の確立が見込めないのであれば、他でバランスを取るしかありません。サークル、他の研究室、研究業界コミュニティ、家族、旧友など、他のコミュニティでの居場所を作るよう努めましょう。

まとめ

橘玲氏の「幸福の『資本』論」を、大学院生のメンタル面からみてみるとかなりリンクしていそうです。

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