なるふぉです.
「浴槽・シンクを流す時にできる渦(バスタブ渦)の回転向きは,
北半球では反時計回り,南半球では時計回りになる」という俗説がある.
果たしてこれは本当なのか?
半球で向きが変わる俗説の説明
この俗説に関しては,
1962年,かの有名なNature誌に掲載されたShapiroの論文 (Bath-Tub Vortex | Nature)
で説明されている.
Shapiroは実験は北半球のアメリカ・ボストンで行われ,渦の回転方向が反時計回りになることを確かめた.
その後,南半球のオーストラリアで行われた追実験では,時計回りとなることが確かめられた.
実際には何が渦の向きを決めているのか?
京都大学・同志社大学の研究では,バスタブ渦の数値シミュレーションが行われており,Yokoyama et al. 2012などの論文も出ている.
論文の中身は割愛するが,
流れが対称的で,残留渦度がゼロの場合は,俗説の通り北半球・南半球で回転方向が決まるが,
実際ははじめに浴槽に存在する残留渦度の影響が強く,バスタブ渦の回転方向は残留渦度によって決まる.
ということらしいです.
参考文献
https://www.jps.or.jp/books/jpsjselectframe/2012/files/12-07-1.pdfhttp://www.gfd-dennou.org/arch/prepri/2013/kobe-u/130208_cassy_Bthesis/paper/pub/bath.pdf
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