なるふぉです。
一時期は、ブルーライトカット眼鏡やサングラスなどがよく広告で出ていた気がします。また現在でもブルーライトをカットするだけの機能の眼鏡や、ディスプレイ設定(ナイトモード)があります。
一方で、数年前から「ブルーライトカットは効果なし」という話も耳にはいるようになってきたので、実際どうなのかということが気になりました。
また、昔は私もブルーライトカット信者だったので、その実体験もお話しします。
ブルーライトとは
ブルーライトは高エネルギー可視光と呼ばれ、波長350-500nm程度の光を指します。
液晶画面の分光スペクトル
https://www.itolens.jp/eyesupport_bluelightcut_01
上図は液晶画面からの光のスペクトルの例ですが、450nm付近に高いピークを持つことがわかります。
ブルーライトカット支持派の意見
ブルーライトカットを支持する人は以下の健康影響を述べています。
- 体内時計・睡眠への影響
- 眼精疲労の要因になりうる
- 疾患のリスク
参考:http://blue-light.biz/about_bluelight/
ブルーライトカット慎重派・否定派の意見
American Academy of Ophthalmologyは 2021/3/10に、以下の記事を出しています。
参考:https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/should-you-be-worried-about-blue-light
記事によると、
- デジタル機器からのブルーライトが目にダメージを与える科学的根拠はない。画面を見ていると目が痛くなるのは、瞬きの回数が減るから。そもそも太陽光からのブルーライトの方がデジタル機器よりも強い。
- 子供が太陽の光を十分浴びないと、近視のリスクが高まる可能性も指摘されている、
- ブルーライトの目の病気への影響はまだ研究が進行中。太陽の紫外線を浴びすぎると目の病気のリスクが高まることがわかっている。
- ブルーライトは睡眠への影響あり。深夜にブルーライトを浴びていると寝付きが悪くなる。
とのことです。
日本眼科学会なども同様の意見を出しています。
参考:https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf
この意見に反論する支持派の意見は見当たりませんでした。(もし見つけた方がいれば教えてください)。
私の経験談
科学的根拠とは別ですが、私の体験談も乗せておきます。
はるか昔ですが、デスクワークが多い日は目の疲れが多かったと感じていました。とくに一日中パソコンの前にいると、夕方ごろには頭痛や目の痛みがひどくて大変でした。
なんとかできないかと思い、色々調べていく中で、どうやらブルーライトが目の疲れに影響しているらしいというネット記事を見つけました。これが原因かと考え、ブルーライト対策を色々講じました。具体的には、
- ディスプレイの色補正を行い、赤い色にする
- ナイトモードを常時ONする
- ブルーライトメガネをかける
- 照明も少し暖色よりにする
などを行ってました。
対策の結果、頭痛や目の痛みが以前と比べて大きく改善されたように感じました。「やはりブルーライトが原因だったのか」と(その時は)確信していました。
しかし、上記のようなブルーライトカット否定派の記事を読み、大変驚きました。
長年ブルーライトカットを行っていましたが、もしかして思い込みでは?と感じ流ようになりました。そこでディスプレイ設定等を解除してみたところ、以前のような頭痛や目の痛みが頻出することはありませんでした。結局、単なる思い込みだったのだと気づきました。
今から考えると、当時の現象や思い込みは以下のことが理由なのではないかと感じています。
- そもそも一日中デスクワークしなければならない時は、追い込まれている時であり、ストレスにより偏頭痛になっていたのではないか。
- 休みを取らずにいたので、まばたきが減って眼精疲労が起きていたのではないか。
- ブルーライトが原因だと思い込むことで、プラシーボ効果が働いて、軽減したのではないか。
- 自分で仮説検証して、その通りの結果が得られたので、「ブルーライトが原因である」という主張を信じ込んでしまっていたのではないか(確証バイアス)。
- 有名な研究者もブルーライトカットを行っているのをみて、自分の主張の正しさがより強調されたと感じていた
今では、適度な休みをとることで眼精疲労が軽減されたのでよかったです。
まとめ
ブルーライトは、睡眠の質には影響することがわかっているが、眼精疲労や目の病気への影響は科学的根拠がない、というのが現在の主流のようです。
逆に「子供の場合」、ブルーライトカットは悪影響の可能性もありうることらしいです。
大変恥ずかしい限りですが、自分が科学的根拠のないことを信じて、確証バイアスにはまっていました。
自分が言えた話ではないですが、科学を専門としている私でさえ、専門外の科学のことは確証バイアスにハマりやすいので、皆さんもご注意ください。
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